彦根城の桜

torimori2006-04-19

昨日、仕事で彦根に行った際、ちょっと朝早く着くようにして彦根城の桜を見に行った。朝8時半から開園しているので、手早く回れば客先に行く前に桜見物ができるという寸法だ。
お城に近付くと、お堀の周りに桜が満開。期待に胸を膨らませつつ入園し、一路天守閣を目指すことに。丁度、開城400周年ということだが、特に目立ったイベントもなく、その点は肩透かし。しかし、天気も良く、朝の気持ちいい空気と相俟って、非常にいい気分。「早起きは三文の得」は本当だなと実感した。
天守閣に着くと、桜が満開になっており、確かに絵になる景色だ。天守閣にも登り、観光気分を満喫して、帰路に着いた。
しかし、気になったことが一つ。この公園内の桜は、ほとんど全てと言っていい位、染井吉野しかない。恐らく、お城が公園になったのが明治以降のことだろうから、公園化する際に染井吉野を中心に(というかほとんどそれを)植えたのだろう。
別にそれをとやかく言っても始まらないが、正直、桜と言えば染井吉野という風潮は感心しない。確かに、染井吉野満開の時期には葉が出ていないのでピンク一色になってきれいだが、いかんせん一斉に咲いてあっという間に見頃が終わる。それが潔いという評価もあるが、やはりもっと多様な種類を楽しめる方が良いと感じる。
染井吉野は東京で江戸末期に開発された品種らしく、東京の桜ということで全国に普及した面もあるだろう。専門的には成長が早くて重宝するという側面もあるらしい。
しかし、どこに行っても染井吉野ばっかりというのはどうなんだろう。個人的には、枝垂れ桜の濃いピンク色も好きだし、山桜や八重桜の風情も非常に好きだ。京都は、御室桜のような個性的な桜の名所もあるし、枝垂れ桜の名木も多い。哲学の道にしたって、染井吉野中心だが、山桜も八重桜もあって、見頃は結構長い。桜一つとっても、もっと多様性を尊重した景観造りが大切だと思うのだが… 今週末辺り、御室桜を見に行こうっと。