PS3発売延期

昨日、「当初2006年春とされていたプレイステーション 3の発売時期は、最終的に『2006年11月上旬』に決定した」とのニュースが流れた。PS3が今後のソニーの業績に大きく影響を与えることは言うまでもないので、結構注目されたようだ。
発売時期が多少遅れることについては、商機を逸しないかという論調も見られたが、Xbox360がパッとしない一方で、PS2のソフトが堅調に売れている中、無理する必要はないと思うので、妥当な判断だろう。何しろ、ソニーとしてはゲーム機としてより先ずはBlu-rayディスク再生機として家庭に普及させたいという方に力点があるだろうから、そちらの事情を優先させたのは至極当然だ。
気になるのは発売日。並び数字にこだわる久夛良木社長だから、単純に考えれば11月1日や11日が本命だろう。大穴は11月2日や23日辺りか。
しかし、個人的にはリビングのテレビに接続してプレイする据え置き型のゲーム機が話題になるのは、PS3をはじめとする次世代機までではないかと思っている。理由は単純、据え置き型ゲーム機向けゲームが、基本的に一人でプレイするものだからだ。もちろん、昔のファミスタや格闘ゲーのように、二人プレイの要素が大きいゲームもある。しかし、昨今のゲームのトレンドはRPGなどであり、基本的に一人でプレイすることを前提としている。RPGには根幹となるストーリーがあるとは言え、プレイ中は地味なレベル上げのための戦いがメインとなり、二人以上でプレイするのには向かない。ゲームならではのインタラクティブ性を生かした、映画的な鑑賞に堪えうる作品でも出てくれば別(サウンドノベルシリーズなんかにはその可能性があると思う)だが、そのようなトレンドを踏まえれば、リビングのテレビを占拠するゲーム機が衰退する可能性は大きいと思う。
ではゲームは衰退する一方なのかといえば、そこは携帯型ゲーム機にシフトしていくことで一定の市場規模は維持されると見ている。現に、DSは売切れ状態が続くなど、社会的ブームの感を見せている。更に、携帯型ゲーム機ならではのメリットとして、持ち歩けばどこでも他人とプレイできるというのがある。据え置き型ゲーム機で対戦しようとすれば、人の家まで行かなければならないところを、どこでも通信して楽しめるからだ。ポケモンもそうだし、最近の「Nintendogs」や「おいでよ どうぶつの森」のヒットもその要素が大きいだろう。その意味では、最近の任天堂の戦略は見事に当たっている。
但し、同じ携帯型ゲーム機でも、私はPSPは評価しない。こちらは機能的にもPS2の延長線上にあり、且つ、動画ビューワーとしての要素が前面に出過ぎており、ソニーの他製品を売るためのツール臭がどうしても強いからだ。更には、先の記事でも小型カメラやGPSの発売など、携帯と完全にかぶる機能の強化ばかりしている。同じ機能を持つのであれば、携帯以外にわざわざ携帯ゲーム機を持ち運ぶ理由は薄い。携帯にはできない機能を生かすことこそ、携帯ゲーム機に必要なことだと思うのだが。まあ、久夛良木さんはゲームが本当に好きだとは思えないので、仕方ないけどね。