ライブドア再び

 いやー、またやってくれました、ライブドア! 今度は、ニッポン放送株買占めです!!
 フジテレビによるTOBの真っ最中に35%取得を発表するなんざ、売名行為のプロとしての面目躍如たるところですな。
 ネットと放送のシナジーを目指して業務提携を申し入れたとか言ってますけど、個人的にはこの手の話はまず100%失敗すると思っている(日本においては企業買収(敵対的TOB限定)における資本の理論が通用しないことは、古くはピケンズの小糸製作所、最近では村上ファンドによる東京スタイルをはじめとする一連の事件で証明済)ので、その点については全く興味なし。それよりも、ほりえもんに感心するのは、この案件、どっちに転んでもまずライブドアが得するという点にうまく着目したということ。この人、人間としてはかなりイケてませんけど、経営者(というより資金運用者)としてはかなりイケてます。
 というのも、結果的に業務提携等できなくても(その確率は極めて高いと思っている)、この出来事に狼狽したフジテレビ(およびTOBのアドバイザーである大和證券)がTOBの価格を吊り上げ、その後に提携断念でフジテレビに譲渡するという形になれば、勝手に転売益が転がり込んで来るし、万が一にも業務提携ができれば、特に見るべきコンテンツを有していないライブドアとしてはこんなに美味しい話はない。リスクは、今後のニッポン放送株の急落だけだが、フジの狼狽振りを見る限り、その可能性は薄そう(自ら株価を上げてしまうような動きをしかねないということ)。
 冷静に考えれば、フジがすぐにでも増資を発表して、ニッポン放送の持株比率を20%未満に引き下げる対策を打つ(アナウンスだけでもする)とか、ライブドアの目論見を外す方法はあると思うのだが。フジが狼狽すればするほど、ほりえもんの思うツボなんだけどね…