法政一高跡地のマンション計画

久し振りに吉祥寺に戻ってみれば、東町の法政一高が移転して、跡地に高層マンションが建築されるという。法政一高は、三鷹市牟礼の東京女子大第二キャンパス跡地に移転するそうだ。
確かに、法政一高のキャンパスは、通りをはさんで校舎とテニスコート・プールが離れていたり、野球のグラウンドが遠くにあったりと、使い勝手が良いとは決して言えない。移転を計画すること自体は、ごく自然なことだろう。
しかし、話はそう単純ではないようだ。もともと、東女キャンパスはマンション業者に売却される予定だったのが、環境悪化を懸念する三鷹市のとりなしで法政に売却されたという経緯があるそうで、だとすれば、法政はマンション建設を懸念して東女キャンパス跡地を同校に売却するようとりなしてくれた三鷹市への恩義を、あっさりと放棄したことになる。もちろん、現在法政一高が所在するのは武蔵野市だから、三鷹市への恩義など関係ないのかも知れない。しかし、腐っても教育を担う法政が、このような不義理を絵に描いたような行為をすることは道義的に許されるのだろうか?
また、そもそもこの土地は学校を建設するために用途制限が緩和されているようで、本来高層マンションなど建築できない土地だ。それを、学校が移転した跡地に緩和された用途制限のままマンション建築を容認するのは、武蔵野市の行政不作為の謗りを免れないだろう。国立市大学通りに面する明和地所の高層マンションの件でも、景観利益に配慮する最高裁判決が出ている現在、この件も問題は大きくなる可能性はあると思う。
ちなみに、もともと土地を購入した長谷工は住民の反対運動を嫌忌してか、既に転売したとの情報もある。反対運動が起こることなんて買う前から分かりきってるだろう。馬鹿か、長谷工って感じだ。しかし、もっと悪質な業者に転売されている可能性もある。何しろ、マンション業者は土地の仕入れが難しくなっているから、多少難ありの物件でもダボハゼよろしく何でも買っちゃうから(そもそも法政一高のグラウンド上には高圧線が通ってるし)。こうしたクズ業者に金を付ける銀行も筋が悪い。バブルの再来だよ、まったく。