ホリえもん逮捕?

昨日からこのニュースで持ち切りで、ヒューザー・小嶋社長の証人喚問も、宮崎勉の死刑確定もすっかりかすんでしまった感がある。
本当は、もう「ホリエ」なる底の浅い人物および「ライブドア」なるえせITベンチャーについては何の関心もないのでスルーを決め込もうと思っていたのだが、「堀江社長ブログ更新、応援コメント相次ぐ」というITmediaの記事を見て、更に「社長blog」に書かれている応援コメントを見て、「こいつら心底分かってねーな」と痛感したので、ちょっと個人的な見解を残しておこうと思った。
コメントに多いのは「出る杭は打たれる」、「日本は成功者の足を引っ張りたがる」と言った、「今回の事件は、権力によるホリエ潰しに違いない」というものだ。しかし、それなら前回の衆院選で、自民党が準公認で支援する訳ないし、その経緯からも今回の強制捜査は起きないだろう。
むしろ、今回の事件は、常にグレーゾーンを活用してきたライブドアを不快に思っていた検察が、やっと立件できるネタをつかんだので強制捜査に踏み切ったという構図だろう。クロかどうかは現時点では何とも言えないが、「市場の申し子」たる「ホリえもん」が市場の公正さを無視したのなら、その時点でアウトだろう。市場と司法が十分に公正だったからこそ、ニッポン放送問題でホリえもんは助かったということを忘れてはいけない。
それよりも、今回の事件に対する世間の反応が気になる。マスコミ中心に成長のためのM&Aに否定的だったり、信者(?)中心にベンチャーが成長するには多少汚いことをしても仕方がないと開き直ったり… ライブドアが問題なのは、M&Aを使って成長してきたことにあるのではなく、M&Aの公表と株式分割のタイミングを絡めて株価高騰を煽ったことにあるのであり、また、Googleが驚異的な成長を遂げることができたのは、彼らが汚いことをしたのではなく、ユニークな検索技術が高く評価され続けたからに他ならない。そこを履き違えて、「ベンチャーは胡散臭い」ということになっては真っ当なベンチャー企業はたまったものではない。もっと良識を持った大人の発言が増えて欲しいものだ。
なお、文中「ホリえもん」とあるのはわざとです。どこかで本人が「ホリエモン」ではないと言っているというのを見た記憶があるので。