宅建受験記(四・完)

すっかり長くなってしまったこの受験記、一応今回で最後としようと思う。最後は分野別の攻略法について。
先ず、今回の試験の分野別得点状況を(得点/満点)。
 ・宅建業法…13点/16点
 ・法令上の制限…4点/9点
 ・権利関係…12点/16点
 ・その他の科目…6点/9点
これで見る限り、法令上の制限を除いて比較的万遍なく得点しているように見える。しかし、現実はそう簡単ではない。
実は、勉強を始める前は、多少知識のある民法(権利関係)で得点を稼ぎ、次に法令上の制限、そして宅建業法は最低限の勉強でしのぐというシナリオを思い描いていた。
しかし、実際に勉強を始めてみる(特に過去問を解く)と、最近の民法判例からの出題が多く、かなり難易度が上昇していた。実際、本試験では4分の3を正解できたが、予想問題の段階ではかなり悲惨だったので、これでも上出来と言えよう(そこで間違えた箇所をきちんと復習したことが良かったのかも)。但し、高得点を狙うなら過去問だけでは厳しい。頻出ジャンル(対抗要件担保物権、相続、借地借家法など)を中心に、未出題の条文も一読しておく必要はあると思う。判例もある程度押さえておくのが望ましいが、予想問題等で出題されているものを押さえるだけでも時間がない場合は十分だろう。きりがないし、大体1問の中に知らない判例なんで1個くらいしか出てこない。他の肢が分かれば、それを知らないことは正否に影響しないからだ。
それに比べて、宅建業法は一見暗記量が多いように見えるが、実は出題傾向がかなりはっきりしており、勉強し易いと感じた。暗記しにくい箇所も35条書面と37条書面の記載事項の差異くらいで、過去問を2回も回せば十分得点源になる。13点ではちょっと不満なくらいだ。但し、量が限定的なだけに、問題は細かい違い(「必ず」ではないとか)が多い。ある程度正確性が要求されよう。
そして、最も点の悪かった法令上の制限だが、ここは暗記量が多い割に配点は少ない。個人的には、開発許可、建築確認あたりはきちんと押さえて、後は基礎的な問題を落とさない程度にやっておけば十分と思う。特に、用途地域内の建築物の制限は暗記が大変な割に1問しか出ないため、捨てても良いと思う。
その他の科目については、税法はあまり細かい数字を追わなければ暗記量も少ないのでオススメ。統計は、必ず出題される割に覚えることは簡単だからぜひ押さえて欲しい。土地・建物は努力する甲斐を感じない。常識で解ける範囲内で十分と思う。
以上、かなり手抜きのオンパレードだが、この試験に関して言えば、これでも十分合格ラインには短期間で達することができると思う。宅建試験全体を通じて言えることだが、ある程度常識(ないし基礎知識)で除外できる肢も多いので、意外と暗記量は少なくて済むのだ。よく言われることだが、満点でも合格点ぎりぎりでも合格は合格だ。過去問をつぶすだけでもボーダーまではすぐ到達する。ぜひ暗記一辺倒でなく、過去問を解く→暗記にフィードバック、という好循環で暗記の労力を軽減して欲しいと思う。